サービス業の仕事をしている私は、今年の”海の日”も出勤でした。
それでもうちで留守番している中学生の娘に何かしてやりたくて
仕事帰りに向かった先は、テイクアウト専門のピザ店『コルディアーレ』

来店するのは4回以上になるので
「こんにちはー。今日は留守番してる娘にピザを買って帰ろうと思って♪」
と気楽に入店。

この日も整子さん(せいこさん)と貴也さん(たかなりさん)が笑顔で迎えてくれました。

イタリアの黄金トマトソースがベースの「黄金マルゲリータ」を注文すると
貴也さんが物腰柔らかな話し方とは裏腹に、無駄のない手さばきで生地を広げてトマトソースをさササっと塗り、
モッツァレラチーズとバジルをパラパラと乗せオリーブオイルをかけるとあっという間に窯の中へ入れてくれました。

焼き上がるまでの1分半の間に、カウンターに並んでいる日替わりパンにも目が行ってしまう。

この日はさっくり美味しそうなメロンパンが並んでいて追加で買うことに。

家に帰って娘が喜んだのはもちろんだけど
夕飯をすぐに食べられるのは働く主婦にとってもうれしいこと!!

何でも手作りするマメな人しか田舎には住めない…というイメージが私にはあったけど、加子母も便利になってきている。

『コルディアーレ』は昨年(2022年)の3月にオープンした新しいお店で
加子母で本格的な石窯ピザが食べられることをもっとたくさんの人に知ってもらいたい!
そしてオーナーさんの人となりも知りたくて、取材させてもらいました。


↑『番田北』信号近くの国道257号線沿いにあるお店。

目を惹く鮮やかなグリーンの壁と大きなイタリアの国旗がはためいている。
“OPEN”と”CLOSE”を示す入口の黒板は、お隣に住むアーティストさんに描いてもらったもの。

地域のつながりも感じられてあったかな雰囲気。


オーナーの整子さんは、もともと看護師をする傍ら、趣味でパンやスイーツづくりをしていました。
職場の人に誕生日ケーキを頼まれることがしばしばあったそう。

定年が近づくにつれ、残りの人生は自分の好きなことを活かして人に喜んでもらいたいと思うようになり、イタリアンの飲食店で働く次男さんから、”薪が手に入りやすい環境だから本格石窯を構えてピザやパンを焼くお店をやってみたら?”と勧められたことがきっかけで、定年3年前に30年勤めていた看護師を退職する一大決心をしました。

その頃ちょうど就活をしていた、三男の貴也さんも志を共にすることになり、
無形文化遺産のナポリピザ職人の技法を学べる大阪のスクールに親子で修行へ行かれたそうです。


↑難関を突破した勲章が店頭に飾られています。
試験では二枚同時に焼く実技テストがあり、炉内は場所によって温度が違うので均一に焼くのが難しかったと聞きました。

コルディアーレのピザ生地は表面がパリッと香ばしく、良い加減の焦げ目からナラ薪で燻製された芳醇な香りがふわっと口に広がり、中はもっちりしている。

朝8時半から地元産のナラ薪を窯で焚き始め、注文が入るお昼頃には炉内が380度まで上がっている。
生地の絶妙な食感と美味しさは本物の窯でしか生まれない遠赤外線の対流がなせる技!!
調理用オーブンでは焦げ目が付くと水分が飛んでしまって出せない食感だそうです。

ナポリピザの王道”マルゲリータ”も、本場イタリアントマトのソースはもちろん、
トマトの特産地加子母ならでは加子母産トマトソースも人気だそうです。

加子母のトマトは加熱すると旨味が凝縮され、
甘味と酸味のバランスが良く濃厚なので塩分が控えられて日本人うけが良いそう。

無形文化遺産のナポリピザ職人の技で加子母トマトが味わえるなんて最高におしゃれです!!

そして日替わりで並ぶスイーツもマスト買いです。
取材日には、あんぱんとイチゴのタルト、イチゴのパンナコッタが選べました。


写真はイチゴのタルト
整子さんは「自分たちが口にしたくないものは、コストダウンできたとしても入れたくない」という信条から、素材にもこだわっている。

ショートニングやマーガリンは不使用で、北海道産のよつ葉バター(非遺伝子組換えの国産飼料で放牧されて育った牛の生乳から製造されている)を使用。

生クリームは植物性油脂のものではなく生乳の生クリームを使っている。

小麦粉も国産をブレンドしていて、シフォンケーキに入れる油も太白ごま油というこだわり。

私も自分で手作りできない時のおやつは、安心素材のものを家族には食べさせたい。
コルディアーレは、母親の願いにも応えてくれる優しいお店です。


↑開店1周年のお祝いに、前の職場の人たちからプレゼントされたメッセージカード。
整子さんのおかげで安心な手作りケーキでお祝いできることについて、働くお母さん達のうれしさとありがとうがいっぱい伝わってくるメッセージカードです。

素材にこだわり過ぎると販売価格が高くなり過ぎるのが悩みどころですが、そういった経営面の調整や整子さんの苦手なSNS活用は貴也さんがサポートしてくれているそう。

夕方から翌日の仕込みをすると季節やその日の気候によってピザ生地の発酵具合が変動するので閉店後も作業が続くことがあるようです。

私も国道を走っていて夜にコルディアーレの明かりがまだ点いていると、整子さんと貴也さんにエールを送る気持ちで運転しています。

取材を終えてからマルゲリータをテイクアウトし、同行してくれたライター仲間のみきちゃんと学校帰りの子供たちと一緒にピクニックしました。


食べ盛りの子供たちはあっという間にたいらげてくれて、美味しい笑顔に囲まれて幸せなひとときでした。


↑あんぱんは、自家焚き小豆の粒感がしっかりしていて甘過ぎず、パン生地は国産小麦のもっちり感もあってとっても美味でした!!
イチゴのパンナコッタも生乳のコクがあってお代わりしたい美味しさです。

整子さんの優しい人柄と充実した生き方が味ににじみ出ていて
コルディアーレのピザがたくさんの人のお腹と心を満たしてくれているんですね。

これからも貴也さんとの二人三脚で幸せを届けるピザを極めてください。

地元ライターnanoka

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