土づくりにこだわる加子母トマト
50年以上の歴史を持つ加子母トマトは、美味しいトマトを作るために「土づくり」に徹すること30年。
昨年に引き続き今年も、加子母トマト生産組合の組合長 佐藤さんと副組合長の所さんに「 麗月(トマトの品種名)」や「土づくり」のこだわりについて お話を伺うことにしました。
- トマト組合長さんのハウス・・あれあれ・・どこだったかな~??佐藤さんのハウスの場所が分からなくなりました・・!
- あらま!そのへんにいる人に聞いてみよっか?
スミマセン~~佐藤さんのハウスはどのあたりですか? - カシモールやら?今から佐藤さんのハウス行くで。ついといで!
あとで分かったのですが、偶然 声を掛けたのはトマト組合の副会長 所さんでした。
コチラが佐藤さんのハウス。
そしてコチラが加子母トマト生産組合の佐藤さんです。
生産者の人となり
取材に伺ったのは、4月の下旬。
- どの時期が1番忙しいですか?
- 収穫が始まるので7月8月9月は忙しいですね。
- 何月まで収穫なさるんですか??
- 11月中旬まで収穫できるんですよ。
- 長く収穫できるものなんですね。
佐藤さんは、加子母のかたですか? - 僕は各務原(かかみがはら)
- もともと農家の経験があったのではなく??
- 全くありませんでした。気付けば11年目になります。
- スゴイですね!!
所さんは、加子母の方ですか?? - 僕は、加子母。
- 所さんは、農家をやってみえたんでしょうか。
- 僕も脱サラしてはじめて、9年目になります。
- 毎月勉強会をされていると伺いましたが…どのような勉強をされるんでしょうか?
- 肥料会社や種苗会社の担当者に来て頂いて、トマトの成長ステージに合わせた肥培管理などのアドバイスをもらいます。
- 梅雨時ならカビに対して、夏なら害虫に対して季節に応じた悩みどころを勉強してる。
- 佐藤さんは、組合長さんになられて長いのですか?
- 加子母のトマト組合の人事は2年ごとに代わるんですよ。
スタートは土づくり
- トマト栽培は、何からはじめますか?
- 加子母のトマトはメインは土。土作りからスタート。連作障害が起きないように毎年土壌診断をしています。
土の団粒(だんりゅう)化をして柔らかい土を作る。NPK(窒素・リン酸・カリウム)だけではなく微量要素を補いながら土を作るんだよ。
なんでもかんでも土壌改良成分を入れているのではなく、足りてない成分だけ補ってあげて、足りている成分は入れないことで健康な土を作ることになります。
加子母トマト 桃太郎と麗月(れいげつ)
- 以前は桃太郎を作っておられたんですよね?
今 作っている品種は、麗月(れいげつ)? - はい麗月(れいげつ)ですね!今年で4年目になります。温暖化で夏が暑くなりすぎたことも影響しているね。
- 麗月の特徴を教えてもらって良いですか?
- 麗月は生食でももちろん美味しいですが、加熱料理するメニューに向いている品種ですよ。また裂果が無く、棚持ちが良いですね。
- 加子母のトマト農家全体的に麗月(れいげつ)なんですか?
- 9割ぐらいが麗月ですね、僕も1割は桃太郎を作っています。
麗月は赤くなってから取る
- 麗月は赤くなってから採ると伺いましたが…。
- そうですね。桃太郎は中から熟してくるので表面がうっすら赤くなったら収穫しますが、麗月は外から赤くなるので完熟収穫が基本ですね
- 加子母トマトは、標高が高いところで作るから昼夜の気温差が大きいので旨味が増すんですよね。
御岳水系の水源が豊富で山からキレイな水が流れてくるのも大きいね。ミネラル豊富な水があるから酸味と うまみがある実の詰まった美味しいトマトになるんだよね。
ぼかしと土作り
- ぼかしというと…どのようなものですか?
- 加子母で飼育している飛騨牛の堆肥と天然由来のミネラル豊富な海藻(アルギット)米ぬか等を混ぜて発酵させて作っています。
- 海藻も入れるんですね。土との相性が良いから?
- ミネラル豊富なトマトになるんだよね。加子母トマトの生産者全員使っているから、他の産地に比べて土本来の地力が高くなるんだね。
- 加子母トマトは、1年2年じゃなくて30年以上 毎年入れていくことで連作障害も減るし味も良くなるといった効果がぼかしにはあるんですね。
- 土にこだわっているから美味しいトマトができるんですね。
- 加子母のトマトの土作りに欠かせない海藻、飛騨牛の堆肥、茅(かや)ススキの大きいのを細かくしたものも入れてるよ。柔らかく空気を含んだ土ができるようになるんだね。
- 生産者全員が土にこだわって作っているのが加子母トマトのブランド力なんですね。
あっと驚く!斜め誘引
- トマトは、家庭菜園だと3~4段目ぐらいで収穫が終わるけど我々農家は12段くらい収穫しているんですよ。
- 家庭菜園だと梅雨が終わると収穫が終わりますもんね。加子母トマトは12段くらい実がなるから11月まで収穫できるんですね。
- トマトの木は斜めに誘引してきます。誘引した木は50cm毎に挿した支柱5本分くらいにわたり伸び、3メートル以上になるよ。
(斜め誘引は、支柱とビニール紐を使って斜めに誘引することです。) - さ、3メートル??知らんかった~~!!冗談で言ってみえると思いました。
- トータル3メートル50ぐらいになるね。
- トマトの芯を斜めに伸ばしていくかんじなんですね。わき芽取りの授業で芯を取ってしまったことがありますが上に上に向かっていくトマトの芯は分かりにくかったですね。
- 芯を取るなんてそれは往復ビンタものですよwww
トマト作りの魅力は何?
- トマト作りの魅力は何ですか?
- 加子母トマトの最大のお客様である大阪の生協の組合員さんに感想を毎年頂きフィードバックしてもらっているので、お客様の声を聞くのがうれしいことだね。
- 大阪にも出しているんですね!!東海パルコープでも販売していますもんね。生協の野菜は安心ですもんね。
他の地域のトマトがあっても「加子母のトマト」があると美味しいから買いますもん。地域のブランドって大きいですね。 - 地場(じば)のものを作る喜び、育てる喜び。美味しいと言ってもらえる喜びやね。
- 他地域との差は何でしょう?
- 加子母トマトを作る生産者が一丸となって同じグループの人のトマトを見て意見交換すること、皆が問題意識をもって情報共有できていることだね。
- まとまりが良いのは加子母の地域性かもしれないですね。
- 加子母トマトは水と土が良いから美味しいということもありますよね。
- 名人が「トマトは水で作る」と名言を言ってたのを思い出しました。
- 「トマトは水で作る」良い言葉ですね。自然環境を生かしているんですね。
- 自然からいただける美味しい水を生かしているんですね。
- 爽やかなイメージ出てきましたね!!笑
夢は加子母トマトのブランド化
- 後の夢は、ありますか?
- 加子母トマトの再メジャー化。再ブランド化ですね。
ブランド化しているから良いねといわれるけどトマトを作っている人間からするともっと知れ渡るとうれしいですね。一段とばしでやっていっても仕方ないので原点に戻って加子母トマトの栽培理念である中嶋農法と加子母ぼかしにこだわってリスタートrestart(再起動)ですね。トマトといえば、加子母といわれるところまで持っていけると凄いですね。
- オークワ、生協、モスバーガーなどでも扱っているんですよね。
- 過去には、成城石井などでも扱っていたからね。色々なところでトマトを扱っていただいているからメディアで取り上げてもらえると良いよね。
- 知名度は大事ですもんね。テレビ取材もあるんでしょうか?
- テレビの取材依頼が昨年あったけどなくなりました。
- 味には絶対の自信があるから。食べてもらえば分かる!取材に来て欲しいね。
- 認知度を上げたいね。
- カシモールではトマト以外にも、トマトジュースなどトマト関連の商品が色々出ていますよね。
- トマトジュースもぜひ飲んでみて欲しいね
- はい!さっそく飲んでみたいと思います。今日はありがとうございました!
トマト生産者が美味しいトマトを作るため高めあってる加子母トマト生産組合。
トマト生産者が一丸となっていることが加子母トマトのブランド力だとわかりました。
地元に住んでいながら知らないことばかりだったので生産者の声を伺うことで加子母トマトの魅力を再認識することができました。